第20号議案 令和4年度長岡京市一般会計予算 反対討論
ただいま議題となっています、第20号議案令和4年度長岡京市一般会計予算について、反対の立場から討論をいたします。
3年前の11月下旬に発生したとされている、新型コロナウィルス感染症は、これまでに幾度もの変異を繰り返し、何度も世界中で感染拡大をしながら、確認されている感染者だけでも世界で4億7000万人、607万人以上の方が亡くなっています。国内でも累積613万6600人以上の人が感染をしました。昨年までの累積が45万6000人でしたから、この1年間で、それまでの12倍以上もの人達が感染をいたしました。そして1年間で、それまでの2倍以上の2万7000人の人達が亡くなりました。全国民の7割以上もの人達が2回目のワクチン接種を行い、現在3回目のワクチン接種が行われており、何度も緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などが取られ、ほとんどの人達が普段からマスクの着用をし、手洗いうがいを行い、ソーシャルディスタンスをとり、民間会社の多くがテレワークなどを取り入れ、感染経路の追跡調査や検査キットによる検査、経口薬の開発などが行われていて、この感染状況です。ちなみに、ほとんどの人達がマスクなどの新型コロナウィルスに対する感染予防を徹底している中での2021年のインフルエンザ感染者は全国で1071人でした。インフルエンザとは比べ物にならない程の感染力と致死率を持っている事が、数字からハッキリとわかると思います。
新型コロナウィルスは、実際に存在しているウィルスであり、現在も変異を続け、世界中で感染拡大しています。強毒性のインフルエンザは、発生するメカニズムが分かっているため、発生する前に対処する方法を世界中で行う事によって未然に防ぎ、現在インフルエンザは感染症法5類扱いにされていますが、この新型コロナウィルス感染症については、感染力の増大や強毒性となる変異のメカニズムが全く分かっていません。また複数種の動物に対して感染が確認をされており、またワクチン効果をすり抜けるブレイクスルー感染が起こっている事から、海外の複数の公的研究機関では、根絶は不可能であり、これからはウィズコロナの時代として生活をしていかなくてはいけない事が言われています。現在国内では、新型コロナウィルスの変異株であるオミクロン株の感染が拡大しており、その亜種であるステルスオミクロン株も確認されています。また海外(ブラジル)では、デルタ株とオミクロン株の両方の特徴を持ったデルタクロン株の発生・感染が確認されています。
京都府で令和3年だけでも1月13日から2月28日、4月25日から6月20日、8月20日から9月30日までの3回の緊急事態宣言が発令され、1年間で145日間もの間(令和3年度で98日間)出勤や外出の自粛や店舗等の時短営業の協力などを全市民に対して求めました。
長岡京市内における新型コロナウィルス感染について、昨年の4月あたりからイギリス型変異株(アルファ株)が感染拡大し、その収束後、8月あたりからインド型変異株(デルタ株)が感染拡大しました。そして、12月末あたりから現在に至るまでの間、オミクロン株による感染拡大をしています。特にオミクロン株の感染力は凄まじく、昨年12月までの約2年間での陽性者が853人であったのが、2022年1月で760人、2月で1812人、3月も20日までで495人の陽性者が報告をされており、そしてオミクロン株の特性から子供達への感染が顕著に表れ、複数の保育所、小学校、中学校で、休校や休園、学級閉鎖などがこの議会においても報告をされてきたところです。
以前から私が一般質問などで言ってきました、市独自の経済支援対策である電子クーポン補助事業や、昨年の討論で指摘をさせていただきました、昨年度当初予算では予算計上されていなかった、新型コロナウィルス対策福祉事業者等緊急対応支援補助金(子供、障がい、高齢者対象の事業所に対する補助)を令和4年度予算で、予算計上をしていることは評価をいたしますが、すでに存在が確認されているステルスオミクロン株やデルタクロン株に対する対策を考えると、今できる対策をしきれていないと判断いたします。それは、隔離と換気の徹底です。以前から言っていますが、小中学校や保育所、高齢者施設等に対する換気機器の設置やその補助を行い、非接触体表面温度計測器(サーマルカメラ)の導入や手洗い場などの自動水栓化を早急に取り組まなくてはいけない事を指摘いたします。
オミクロン株の感染拡大によって、国内でも基礎疾患を持つ子供の重症化や死亡、基礎疾患を持っていない子供が亡くなった事例が、京都府の3月11日のニュースでも発表されています。放課後デイサービスの希望者に対する変更について、市は、「希望に応じて通所先や通所日数を変更すること自体が、必ずしも接触人数を減らすことに繋がるとは限らないものと考えている。支給決定量については、個々の児童の状況や療育の必要性などに応じて、専門的かつ客観的な視点のもと、総合的に判断させて頂いており、感染症対策の視点において、放課後デイサービスの支給決定量を増やすことは考えていない。」との答弁でしたが、これまでの学校における感染状況や京都府下の多くの市で週5日制が行われている事から考えても、危機意識が薄いと感じます。希望者に対して、早急な対応、対策を取る必要があることを指摘いたします。
私が、この予算で最も重視しているのが新庁舎建て替え1期庁舎の令和4年度予算で33億8300万円、全体で約100億円の事業に対する内容です。
国のデジタル庁の設置によって、これはコロナ対策としても進められているわけでもありますが、現在行政業務のデジタル化が進められています。それを受けて、長岡京市でも令和4年度一般会計予算では、「書かない」「待たない」「行かなくてよい」市役所の推進を掲げています。それは、平成30年3月に出した長岡京市庁舎等再整備基本計画の基本理念である「にぎわい溢れ、安心に包まれる、未来の長岡京を創造する庁舎」および、基本方針の「市民に開かれた、にぎわいあるまちづくりの拠点となる庁舎」の方針と相反(あいはん)していると考えます。さらに新型コロナウィルスの存在している現在において、不特定多数の出入りする新庁舎に対して「市民の安全、安心を支える庁舎」という考えや「誰もが利用しやすい庁舎」という考えは、感染すると重症化しやすいとされている高齢者、基礎疾患を持っている人、妊婦の人達などに対して、当てはまっていないと考えます。感染確率の観点からも、これからは、人の出入りを最小限にする小さな市役所にしていくべきです。
市役所職員の感染が、1月で20名、2月24日までで18名、濃厚接触者を含む特別休暇取得者が1月で125名という現状を考えると、職員1人に対する仕事量が増える問題だけでなく、職員の安心・安全な職場環境を考え、人の出入りが極力少ない状況にしていく事や出勤に関しても政府が進めているようにテレワークなどでできる環境の早期整備が重要です。オミクロン株は、空気感染をし、ガラス表面で7日間も生存します。そのため、日常業務を行っている新庁舎内に、「にぎわいあるまちづくりの拠点」として不特定多数の人達が出入りし使う貸館貸し部屋事業やコンビニの設置などの設置は間違っていると判断します。
実際に、貸館貸し部屋事業の利用率は、緊急事態宣言中はもちろんゼロですが、それを考慮し、令和3年度4月から12月までの、オミクロン株による状況を考慮しない状況で、多世代交流ふれあいセンターでは12.4%、産業文化会館で38.25%、中央公民館の社会教育ホールで36.57%、市民ホールで33.23%、中央生涯学習センターで31.12%です。施設によっては8割以上、最も使われている施設でも6割以上が稼働していません。コロナの出現によって利用状況が大きく変わってきています。この状況から考えて、市全体の貸館貸し部屋事業の見直しを行う必要があります。そして新庁舎内に不特定多数の人達が出入りする貸館貸し部屋事業を行う事は間違っていると判断します。
厚生労働省や国立成育医療研究センターで報告されている通り、妊娠中は感染すると早産率が高まり、重症化するリスクが高い事が報告されています。そんな妊婦や産後直後で弱っている人や抵抗力を全く持っていない生まれたての子供達がいかなければいけない保健センターを、貸館貸し部屋事業やコンビニなどが存在し、不特定多数の人達が出入りする新庁舎の2期庁舎に「にぎわいあるまちづくりの拠点」として設置するのは、安心や安全面の観点からも間違っていると判断いたします。
国の方針やウィズコロナ対策、建設費用、100年耐用の維持管理費の視点などから考えて、新庁舎建設に保健センターや貸館貸し部屋事業、コンビニなどを設置する予定の新庁舎建設の2期工事は多額の違約金を払ってでも白紙化し、見直しを行って、それらの施設設置計画を排除し、事業の縮小や違う場所への設置などをするべきだと考えます。
以上反対討論といたします。
