2024年12月議会 一般質問

一般質問

ファミリーサポートセンター事業について

利用料と活動報酬について

それでは、通告に従い一般質問を行います。
まず、ファミリーサポートセンター事業について、利用料と活動報酬について取り上げます。
長岡京市ファミリーサポートセンターは、子育ての手助けをして欲しい人、子育てのお手伝いをしたい人が会員となって、お互いに助け合う相互援助組織です。令和5年度の総会員数は1006名、内訳は依頼会員が647名、提供会員279名、両方会員80名での活動となっています。このファミリーサポートセンター、通称ファミサポの活動は、「地域の宝である子ども達を地域のつながりの中で健やかに育てたい」という思いによるもので、これからも続けていくべき活動だと考えています。

そこで取り上げたいのは、この援助時費用つまり利用料(報酬)の基準についてです。平日の午前7時から午後8時まで1時間あたり700円、平日夜間の午後8時から午後10時まで1時間あたり800円、土日祝日年末年始の午前7時から午後10時までが1時間あたり800円となっています。現在もこの報酬金額であると担当課にも確認しました。ここで京都府の最低賃金と比較してこの金額が妥当なのかどうかという問題を提起したいと思います。2024年8月5日、京都地方最低賃金審議会は、京都府の最低賃金を1008円から1058円に引き上げるように答申を行い、それはこの10月1日から適用されています。いまやファミサポの利用料(報酬)とは358円もの開きがあります。調べてみたところ、ファミリーサポートセンター事業がスタートした、平成13年当時の京都府の最低賃金は、時間給で677円でした。(平成19年で700円)恐らくこの金額を考慮して、当時、利用料(報酬)の設定を行ったと思われますので、24年間据え置かれているのではないかと推察されます。そこで、まずいつからこの利用料(報酬)で設定がされているのか、またこの利用料(報酬)金額は、どのような基準で設定されたのか、そしてこれからの利用料(報酬)の金額について、改定していく予定があるのかお伺いいたします。







市の教育事業について

小1の壁について

次に、市の教育事業について、初めに「小1の壁」について取り上げます。小1の壁とは、保育園・幼稚園から小学校に入学したとき、子ども自身あるいは子どもを持つ親がぶつかるさまざまな問題のことです。一般的には、「子どもが保育園を卒業して小学校に入学するにあたって、今までは可能だった仕事と子育ての両立が難しくなる状況」を指します。子ども側で生じる問題点としては、新たな人間関係によるトラブル、学校が終わった後の留守番、勉強の習慣、勉強や登下校の不安などがあります。一方で親側については、学童保育の時間が保育園の預かり時間より短いという問題、時短勤務の問題(子どもの小学校入学と同時に時短勤務ができなくなる問題)、行事などの平日参加などがあります。この小1の壁の対処法として、民間の学童保育や、すくすく教室、習い事やファミリーサポートセンターなどをうまく利用していくこと、そして夫婦間や親子といった家族内で、さらには会社や友人(パパ友、ママ友)と話しあって協力しあうことで乗り越えられることもあるかと思います。相談できる人が身近にいて、この問題に向き合う全ての対象者がうまく対処・解決できていればいいのですが、転居してきたばかりの人や外国の人など、そういった環境下にない人達もいるでしょう。9月のニュースで、こども家庭庁が、小1の壁の実態調査を9月末から行い、来年3月までに結果をまとめるとの報道がされていました。そこで、小1の壁問題について、相談窓口の開設や市のSNSなどを活用した相談受付などをして、実情の把握を兼ねた取り組みを行ってはどうかと思いますが、市の見解を求めます。

 

 

小学校の早朝開放について

つぎに小学校の早朝開放について取り上げます。この小学校の早朝開放については、放課後児童クラブの延長預かりと同様に、行政がサポートできる小1の壁対策の一つでもあります。現在長岡京市の小学校は、午前8時から登校するようになっています。しかし、共働きの家庭が増えて来ている中、保育園では午前7時半から預けられていたのに、小学校へ入るとそれができなくなるという問題が発生しています。放課後児童クラブがカバーしていない朝の時間帯、親が先に出勤した後に自宅で1人で過ごし、玄関の鍵をかけて登校せざるをえない子どもがいます。親は、こうした事態を避けるために出勤時間の変更を迫られるなどの影響がでています。大阪府豊中市が保育園並みの午前7時から子どもを小学校に登校できる事業を4月に開始したところ、1学期の利用者は、延べ5900人にものぼったとのことです。学校教員の負担を増やさないよう、朝の時間帯は教育委員会の委託スタッフによる見守りが行われているそうです。東京都三鷹市でも昨年11月から小学校の開門時刻を午前7時30分に前倒しする事業を始めています。長岡京市も共働き世帯が増えてきている中、小1の壁対策として、学校の早朝開放に取り組んではどうでしょうか。豊中市のように教育委員会の委託スタッフによって、午前7時頃から学校を開門して、希望する子ども達が小学校の図書室などで、勉強や待機ができるようにしてはどうかと考えますが、市の見解を求めます。

 

南向き校舎の問題について

次に南向き校舎の問題について取り上げます。現在、長岡京市にある14校ある小中学校のうち、長4小以外の全ての学校に南向き校舎が存在しています。この南向き校舎、冬は暖かいのですが、夏場は物凄く熱くなり、クーラーをかけても全然室内が冷えないという問題が起こっています。この現象は、2階や3階の教室で特にひどいようです。先日、市民大運動会でいくつかの小学校に伺った際、ある校長先生からこの問題について、どうにかならないかとご相談をいただきました。私が小学生の頃、40年前の1984年ですと8月の京都の平均気温は28.8度でした。しかし今では、「京都で39度」や「路面温度が60度を超える」状態になっています。暑さ対策として全小中学校に空調を入れてきたのですが、南向きの校舎についてはそれだけでは不十分だということでした。民間の調査によると、例えば気温が32.6度の時、土、グラウンドの温度は37.8度と体温を超えているそうです。そしてコンクリート、校舎の温度は44.3度となり、3階の南側の窓際だと50度近い温度になるということです。ちなみに気温が32.6度の時、屋根瓦の温度は60度を超え、アスファルトは56.8度になるそうです。この数値を聞くと、近年、熱中症が増えているのも理解できます。私は、良好な教育現場の提供という観点から、このままではいけないと判断します。対応策として、夏場の熱を通さない窓ガラスの設置や、熱を通さない遮熱カーテンや遮熱ブラインドへの変更、窓ガラスにマグネットなどで貼る断熱・遮熱シート、フィルムを導入するなど、いろいろな方法が考えられます。来年の夏までに迅速な対応をとることが必要だと思います。市の見解を求めます。

 

 

校舎や体育館などの補修について

次に校舎や体育館などの補修についてお伺いいたします。
これは、統計的な内容としてお聞きしたいのですが、小中学校の校舎や体育館、武道館やプールなどの建物に、影響を及ぼす可能性のある修繕を1年間で何件くらい行っているのか教えて頂きたいと思います。過去5年の年単位の件数と総額についてお伺いいたします。

 

 

 

公共施設の耐震調査について

前回の耐震調査から20年経過している施設の再調査について

最後に、公共施設の耐震調査について、前回の耐震調査から20年経過している施設の再調査についてお伺いいたします。これは、9月議会一般質問で取り上げた内容の続きです。何故ここで再度取り上げるのかというと、この8月に南海トラフ地震臨時情報が発表され、国も令和8年度中に防災庁を設置する準備を始めている中、危機管理に関する事項について、「やっておけばよかった」などと言う事にならないよう、早急に対応をすべきだと考えるからです。

建物が劣化をしないのならば、建て替える必要はありません。しかし、建て替えている訳です。それは劣化が起こるからです。その劣化の主な要因は、気温などによる素材の膨張や収縮、雨や霧(特に酸性雨)などによってコンクリートそのものが劣化したり、コンクリート内の鉄骨が腐食したりするためです。参考までに100年耐用の新庁舎は、耐久設計基準強度が30N/mm2で雨などの水分を吸収しにくい構造となっています。(耐久設計基準強度とは構造体の総合的耐久性=コンクリートの強度を表す数値:2009年版JASS5で改定)わかりやすい表現で言うと、カチカチで、劣化がしにくいため長期間の耐用となっているということです。ただ、その反面水分を吸収しにくいことから、閉じた室内では湿度が高くなりやすく、結露ができやすくなります。そのため、カビが発生しやすい状況となり、パソコンなどの電子機器や電子部品そのものの故障を避け、壁紙や配管、配線ケーブル内の銅線などを腐らせないようにするために、1年365日24時間、100年間ずっと換気扇を回す必要があり、その結果、維持管理費や電気代が跳ね上がります。また建物自体は100年耐用であっても、空調や換気扇、配管や内装などの耐用年数が20年や25年などであるため、何度も大型改修をする必要があります。そして、免震ゴムについては耐用年数が約60年で、これにも定期的なメンテナンスが必要です。建物の長寿命化させるために100年耐用にする、というと聞こえはいいのですが、橋や高架道路などに固いコンクリートを使う場合を除いて、維持管理にお金がかかりすぎるという問題があります。

話を戻しますと、50年近く経過した耐久設計基準強度が24N/mm2以下の建物(計画供用期間65年:市内の公共施設の大半がこの数値以下に該当しています)は、カチカチのコンクリートではないため、30N/mm2のものよりも水分を吸収しやすく、30N/mm2のものよりも早く劣化をしていくことになります。

9月議会一般質問の「補強から年数が経過した施設のIs値について」、市側の答弁は、「各施設における耐震補強後の状態を維持していくことが重要であると認識しております。Is値は建物の強度を示す指標の一つであり、経年劣化による影響は否定できませんが、建物の保全状況が良好と認められるものについては、経年による影響は少ないとされており、適切な維持管理が重要となります。そのため各公共施設においては、必要に応じて専門業者による詳細調査を実施し、適切な改修工事等を行いながら、適切な維持管理に努めております。」ということでした。また、「耐震調査から年数が経過していることから再調査を行うべきではないか」、という質問に対する答弁では、「Is値は建物の保全状況が良好と認められるものについては、経年による影響は少ないとされているため、適切な維持管理に努めることが重要であり、現時点においては再度、耐震調査を行うことは考えておりません。」とのことでした。要約すると、長岡京市としては、適切な詳細調査を行い、適切な改修工事を行っており、適切な維持管理に努めているため、建物の保全状況が良好であり、経年による影響が少ないため、再度耐震調査を行う必要はないと考えているという事です。

そこで私、調べさせていただきました。本当に全ての公共建築物に対してそう言えるのかどうか。先日、長岡第五小学校の校長先生から、直接お話を伺ったところ、長岡第5小学校の東棟、この校舎の3階廊下は、大雨が降ると廊下に水たまりができるという状態だそうです。早急な対応をお願いします。
前回の議会だよりの私の一般質問のところに、耐震化後の長5小(耐震調査は2005年)の校舎の写真をあえてのせています。それは今から11年前の2013年に撮ったものですが、鉄筋ブレースで耐震化された箇所の側面にあたる部分、そのコンクリートの壁には、大きなヒビ割れがいくつも入っているのが見られます。そのヒビ割れ部分に樹脂を埋め、壁を塗りなおすという工事が2015年に行われたため、現在、“外観は”キレイに見えます。しかし、撮影当時で築44年だった校舎があの状況なのですから、築55年も経過している現在の長5小の校舎が本当はどういう状態なのか容易に想像できるかと思います。ヒビ割れができてどれくらいその状態が続いていたのかが問題で、すぐに樹脂等による処置などができていればよかったのですが、目視で確認できない部分も多々あるため、雨漏りをしているという現状がある訳です。つまり、確実に劣化による老朽化は進んでおり、Is値の基礎となるコンクリート内の鉄筋の腐食が発生し進んでいると考えるべきです。

9月議会の討論でも申し上げたとおり、今後小中学校を含む公共施設のコンクリート強度、中性化、劣化調査などの耐震調査を行うべきだと思いますが、市の見解を求めます。

 





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