2025年3月議会 一般質問

一般質問

1. 公共施設の耐震調査について

公共施設等再編整備構想の見直しについて

それでは通告に従い一般質問を行います。

まず始めに公共施設の耐震調査について取り上げます。これは、昨年の9月議会、12月議会一般質問で取り上げた内容の続きになります。なぜこの議題を一般質問で3回も連続で取り上げるのかというと、それは、単なる公共施設の耐震化に関する調査だけの内容ではないからです。

上位計画から順に、今年行われる予定の長岡京市における第4次総合計画第3期基本計画の改定、長岡京市公共施設等総合管理計画、長岡京市公共施設等再編整備構想2021に関わってくるものになります。総合計画においては、“まち”、「防災・安全」項目の防災機能が強化されたまちで市民生活の安全を守るために、公共施設の管理について、どのような取り組みをしていくのかということ。そして、“けいえい”、「都市経営」の財産の適正管理の項目では、市有財産の有効活用の箇所にそれぞれ該当するかと思います。端的に言うと、耐震に関わる問題だとすると「防災・安全」の項目に該当し、長寿命化という視点から見ると「都市経営」になるこの問題について、議論を深めていきたいと思います。

総合計画の、“まち”、「防災・安全」項目には、「防災対策として、地震・浸水対策を順次進めており、一定の安全確保ができています。」さらに、「市役所庁舎をはじめとする公共施設等の耐震化を積極的に推進します。」とあります。この一定の安全確保のために、何をしているのかがポイントです。20年も前に耐震調査をした結果、安全だったからといって、今現在、安全確保ができていると言えるのでしょうか。そもそも劣化をしない建造物など存在しません。それは、建替えを行う理由を考えれば明白です。

そして、総合計画の具体的計画として長岡京市公共施設等総合管理計画があり、その総合管理計画では総合管理方針として、「機能を維持し、長寿命化を推進することで、総費用の削減を目指す。」としています。これは総合計画でいう「都市経営」に該当する内容になるかと思います。2023年12月議会一般質問で、この方針のいう「総費用の削減」について取り上げさせていただいた次第ですが、ここでは「機能を維持し、長寿命化を推進する」ために、定期的に建造物の劣化調査などしていく必要性について取り上げたいと思います。具体的には、どの指標をもとに機能の維持と長寿命化の推進をしていくのかということです。築年数なのか、耐震機能を基準とするならば代表的な数値であるIs値なのか、長寿命化ならば建築学会で目安とされているコンクリート強度なのか、それともコンクリートの中性化や建物の劣化状態(ひび割れ、漏水、鉄筋サビ、コンクリート爆裂)などの調査によるものなのか、どの指標を基に判断するのか明らかにしていただきたいと思います。この点は、公共施設の機能を維持し、長寿命化を推進していくために重要なポイントだと考えます。

長岡京市の財政状況を考慮した場合、一度にいくつもの公共施設の建替えはできません。小中学校だったら4~5年の間で1校ずつ位です。長岡京市公共施設等再編整備構想2021をみると、いまこの整備構想をもとに4小の建替え、3小の建替え計画が行われていますが、3小の建替えの後、どの施設の建替えを行うのか、まだ決まっていません。この再編整備構想の見直しについては、今年予定されている長岡京市第4次総合計画第3期基本計画の改定に合わせて、再編整備構想も改定するとの事です。ここでお聞きしたいのは、その長岡京市公共施設等再編整備構想の見直しは、どの指標でもって見直しを行っていくのかということについてです。市の見解を求めます。

 

耐震調査の再調査について

公共施設は、小中学校の他、スポーツセンターや西山公園体育館、保育所や市営住宅、図書館や保健センターなど沢山ありますが、議論をわかりやすくするために小中学校の建替えを例に話していきます。私が「小中学校の大型改修・改築・耐震化問題」について一般質問を行った、平成15年3月議会以前の小学校の建替え計画は、築年数を基に古い順での建替えを行うという計画でした。当時老朽化による長法寺小学校の建替えは決まっていましたので、次は神足小、3小、4小、5小、6小というように建てられた番号順での計画がなされていました。中学校も同じです。

しかし、2024年9月議会一般質問でもお伝えしたとおり、平成17年度18年度に行った耐震診断の結果を受けて、建て替え計画を組みなおし、建てられた順ではなく、耐震調査後、各小中学校の耐震補強工事を行いながら、問題のあった7小の建替えを最初に行うことになりました。その後4小の建替え、3小の建替え計画と続いています。つまり、耐震調査後の調査結果によるIs値の数値基準とコンクリート強度を基に建て替え計画をつくりなおしたのです。どの建物も同じコンクリート強度や配合率、鉄筋の本数や太さなどが統一であり、劣化の進捗状況など同じであるならば、築年数による耐用年数から建て替え計画を立てる事は理解できますが、そうではありません。どの建物も同じ劣化状況などあるわけがなく、建てられている場所や、建設当時の建築資材の品質、新耐震(1981年6月)の前なのか後なのか、などによって大きく変わります。

築年数だけによる建て替え計画の見直しは、多額の費用をようする建て替え計画の見直しの根拠に乏しく、数字的な根拠となるIs値などは、20年前の検査結果の数値なので、再調査するべきなのではないかと考えます。つまり、総合計画における、市民の安全を守るための点検として。総合管理計画における、機能を維持し、長寿命化を推進するための指標として。さらに再編整備構想おける、公共施設の建替え計画の見直しの数値基準として、公共施設のコンクリート強度、中性化、劣化調査などの耐震調査の再調査を行うべきだと思います。市の見解を求めます。

また、その再調査するための費用については、長岡京市は、南海トラフ地震防災対策推進地域指定市町村でもあるわけですから、防災庁を作ろうという方向に動いている国に費用を求めるのは、当然の流れになるかと思います。市長の見解を求めます。







2. 阪急長岡天神駅高架化事業について

阪急長岡天神駅周辺整備事業効果検討業務委託報告書について

次に阪急長岡天神駅高架化事業について、阪急長岡天神駅周辺整備事業効果検討業務委託報告書について取り上げます。これは、令和5年3月に委託先から提出された報告書です。具体的には、阪急長岡天神駅を高架化した場合の費用対効果BバイCを求めた報告書となります。その費用対効果の数字は、1にははるかに及ばない0.33、経済的純現在価値はマイナス137億円という結果でした。

阪急長岡天神駅高架化事業は、石見下海印寺線と御陵山崎線を結ぶ府道柳谷高槻線(長岡踏切、アゼリア通り)と府道開田長岡京停車場線(天神踏切、長岡京駅前線)、それと市道3262号線(長岡上(かみ)4番踏切、ポッポ前踏切)の3つの道路による阪急京都線における踏切を無くすための事業です。2つの府道を結ぶ道路の踏切を無くすための事業であり、そもそも石見下海印寺線と御陵山崎線は、国道171号線のような交通量がある道路ではありませんから、その道路をつなぐ府道柳谷高槻線や府道開田長岡京停車場線の交通量は、それ以下になります。ちなみに上(かみ)4番踏切、長岡踏切、天神踏切を使う1日交通量は、それぞれ2087台、5095台、4939台です。

BバイCが0.33であるという事は、歩行者や1日約1万2000台の車の踏切利用を無くすことによって得られる経済的効果は、阪急長岡天神駅高架化事業の費用351億円の3分の1の117億円程度しかないという事です。私は、それはあくまで機械的な計算によるものでしかなく、阪急京都線による東西市街地の分断、踏切による交通渋滞、歩行者や自転車の危険な状態が、都市計画が策定された昭和42年(1967年)から58年間も続いている事が問題であると考えます。したがって、このBバイCによる阪急長岡天神駅高架化事業の判断は見るべき視点がズレているように思います。大きな視点からだと、団塊世代の人達が後期高齢者となる今の2025年問題から、今後免許返納者の数が増えていくわけですし、超少子高齢化問題から人口の減少もそうですが、免許保有者も激減するわけで、車の交通量は総じて減少していきます。そのため、今のBバイCの計算式も今後大きく変わるでしょうし、高架化事業について、費用対効果による判断の度合いも変えなくてはいけないでしょう。

実際、BバイCを1にしようとすると、車だけで考えると現状の4倍近い交通量が必要になる計算です。歩行者なども含めて考えればもう少し下がるのでしょうが、人口8万人の長岡京市で、その交通量を3つの踏切に呼び込むには、国道171号線などと結び、交通量を誘導するしかありません。しかし、JR長岡京駅を高架化するのは、東海道本線ということから難しいですし、JR長岡京駅の下(アンダー)を通す道路は、駅と小畑川との距離の関係からできません。つまり、物理的に国道171号線の交通量を呼び込むような道路を作る事はできないという事です。したがって、私は阪急長岡天神駅高架化事業を実現するために、BバイCを1に近づける努力をするのではなく、高架化事業を実現するためには、もっと違うアプローチをするべきだと考えます。具体的には、仮線方式や別線方式のどちらにしても必要な、阪急長岡天神駅を中心とした線路沿いの東側の南北1kmの用地買収を進めて行くなどの方法があると思います。そこで市長に、阪急長岡天神駅高架化事業におけるBバイCが0.33である事についてどう考えているのかということと、高架化事業を実現するために、阪急長岡天神駅を中心とした線路沿いの東側の南北1kmの用地買収を進めて行くという提案に対する考えをお伺いいたします。

そして、これは数字的な話としてお聞きしたいのですが、先の議会で提出されました、「阪急長岡天神駅西地区市街地整備事業西地区整備計画(素案)」を仮に実施することとなった場合、どの位BバイCの数字が変化するのか(例えば0.33が0.5や1を超えるのかなど)お伺いいたします。

 

 

 

市道2010号線の拡幅事業について

続いて市道2010号線の拡幅事業について。この道路は、アゼリア通りとの交差点の入り口が大変狭く車同士がすれ違えないため、よく接触事故が起こったりしています。そのため早期の拡幅を多くの市民が望んでいます。この市道の拡幅事業は、阪急長岡天神駅西地区市街地整備事業西地区整備計画(素案)に関する開発事業と関係なく、普通の道路拡幅事業として約265mの整備が行われていくとの事です。

この道路拡幅事業について、アゼリア通りや長岡京駅前線との交差点において、右折レーンが必要ではないかと考えていますが、どうなる予定なのかお伺いいたします。また、この道路は両際に歩道を設けることになっていると聞いていますが、歩道も合わせた道路幅は何mで考えているのかお伺いいたします。そしてこの道路の拡幅は、地図を見る限り現道から東側に拡幅するようになっています。現道から西側は、駐車場などが多く、そちら側を拡幅するようにすれば解体が必要な建造物などが少なくなるのではないかと思いますが、何故現道から東側に拡幅するようにしたのかお伺いいたします。また、この265mの拡幅整備を何年かけて行う計画なのかお伺いします。

 

阪急長岡天神駅西地区市街地整備事業西地区整備計画(素案)について

次に阪急長岡天神駅西地区市街地整備事業西地区整備計画(素案)について、これは令和6年11月に阪急長岡天神駅西地区市街地整備事業の地権者検討会で出され、12月議会において提出された資料です。素案ですが、何点かお伺いしたいと思います。まず、この阪急長岡天神駅西地区市街地整備事業という約1.5haにもおよぶ再開発は、総工費をどれくらいかかると想定しているのかお伺いいたします。また、JR長岡京駅西口再開発の時と同じように、公共公益棟のような公共施設を含んだ建物の建設を考えているのかも重ねてお伺いいたします。なお、観光案内所はそもそも開発予定地区内にありますので、観光案内所は省いてお答えお願いします。

この整備事業は、都市再開発法に基づいて行う予定のため、地権者の権利は、権利変換の手法を用いて、等価で新しいビルの床(権利床)や金銭に置き換えられます。そして、ここがポイントなのですが、高度利用(ビルの高さと捉えれば分かりやすい)で新たに生み出された床(保留床)を売却して事業費に充てます。「長岡京らしい景観」を守り、育て、創り、さらには子や孫に引き継ぐため、景観条例を持っている長岡京市において、JR長岡京駅よりも長岡天満宮、光明寺などの数々の歴史資源を有する地域に近く、緑豊かな西山に近い阪急長岡天神駅西地区において、保留床がどれくらい生み出せるのか疑問ですが、その保留床の売却がどれくらいできるかによって、市の負担が大きく変わります。
JR長岡京駅西口再開発では、マイカルが撤退したあと、公共公益棟と商業棟、保留床を生み出すための大きな高層マンション2棟で再開発を行いました。そして、JR長岡京駅西口再開をきっかけに市の借金が増え続けているのが現状です。

JR長岡京駅西口再開発を始める以前の平成13年度まで、市の借金である市債総額は、ほぼ自主財源と同じ150億円から160億円の範囲で推移していました。しかし、JR長岡京駅西口再開発(総事業費210億円、うち市負担95億円、H15当時)を始めてからは、年々右肩上がりに市債が増え続け、人口はほぼ横ばいなのに、令和5年度で367億円を超え、令和7年度には400億円を超えるとされています。
人口8万人の身の丈に合う開発ならばいいのですが、市内で地価が最も高い阪急長岡天神駅前の1.5haにもおよぶ駅西側の再開発です。何故2025年問題を抱える今、5年後には2030年問題が起こる事が分かっている今、高架化事業と関係のない超大型都市開発投資を行う必要があると考えているのか、市長のお考えをお伺いいたします。

 

 

 

3. 新庁舎建設について

総額について

次に新庁舎建設についてお伺いいたします。
まず総額について、新庁舎建設は、令和2年10月12日の入札において、予定価格93億3900万円のところ79億8800万円で落札されました。この金額は、長岡京市低入札価格調査制度運用基準に定める調査基準価格の85億9188万円を大きく下回るため、落札決定を保留し、低入札価格調査が行われました。それから令和5年12月議会までで7回にも及ぶ請負契約の変更が行われ、7回目の時点で100億7661万4900円と100億円を超える金額となりました。そして昨年の12月議会で副市長から、さらに2億円強の増額請求を受けている事が伝えられ、本議会では102億円を超える請負契約の変更が議案として提出が予定されています。この議案に関する審議は、関係委員会で行われますのでおいておきますが、ここでお聞きしたいのは、いったい新庁舎の建替えで、総額いくらかかっているのかという事です。現在分かっている、おおまかな金額で結構ですので、2期建設分も含めた、新庁舎建設費、設備費、備品費など全て合わせて、新庁舎を建て替えるのにいくらかかっているのかお伺いいたします。

 

歴史資料館について

最後に歴史資料館についてお伺いいたします。
今から6年前の2019年3月議会において、平成31年度予算審査資料要求書で要求した「文化財(文化遺産)保存状況(保存施設と保存数)」について、担当者と長時間電話でお話した事を覚えています。その時、新庁舎の空いたスペースを埋めるのに、増え続ける埋蔵文化財などの展示・保管場所になるだろうと考え、当時の文化財の保存状況を確認するために資料要求を行いました。そして昨年の令和6年5月に、新庁舎歴史資料展示室基本計画が出されました。その整備方針には、新庁舎2階に展示室、7階に収蔵庫・資料整理室・事務室を設けるとありました。6年前に私が予想した通りになっています。必要以上の大きさのハコモノを作ると、そのスペースを埋めるために、新庁舎内の貸館・貸部屋事業に代表されるような事業の追加が行われ、そのための備品費や設備費が増加します。今回は、埋蔵文化財調査センターと、ほぼ同じ事をする場所を新庁舎内に設けるということになっています。そこで、現在の埋蔵文化財調査センターの展示に訪れている年間の人数、月単位の平均来館人数、週単位の平均来館人数をお聞きいたします。そして、新庁舎に歴史資料展示室を作った場合、埋蔵文化財調査センターをどうしていく考えなのかお伺いいたします。

企画展示について、「他機関との共催による展示や常設展示・体験型展示の一部をさらに深める、または異なる視点からの展示、コレクションや貴重な文化財等の特別公開等幅広く展示します。」とありますが、貴重な文化財やコレクションを運搬するには、高額な運搬費用が発生し、物によっては盗難保険や損壊保険などをかけなくてはいけません。割れたりしないように免震台のような特別な展示用品を用意しなくてはいけない場合もあるでしょうし、物によっては高額な貸与費用を出す必要があるものもあります。さらに年間に特別展(30~60日間)1回、企画展(90日間)2回の開催を想定し、常勤学芸員を2人配置するという計画があります。入館料無料とありますから、特別展や企画展の費用や常勤学芸員の人件費などは、全て市民の税金から出すのでしょう。そこで、この事業に関する年間の予算規模をどの程度で考えているのかお伺いいたします。私は、この歴史資料展示室について、最初の10年や15年程度までは何とかなると思いますが、デジタル技術が6G、7Gの世界になり、立体画像などが高速で送られ、どこでも見れるような社会が訪れた時、一体何人の人が展示を見に来てくれるのかと思います。そこで、この歴史資料展示室事業は、どれくらいの年数の事業として考えているのかお伺いいたします。





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