第59号議案 令和4年度一般会計歳入歳出決算 賛成討論

一般質問

第59号議案 令和4年度長岡京市一般会計歳入歳出決算 賛成討論

ただいま議題となっています、第59号議案、令和4年度長岡京市一般会計歳入歳出決算の認定について、賛成の立場で討論をいたします。
この決算について、予算の執行に違反や問題があったかという視点において、判断いたしました。

令和3年度の決算は、収入済額で歳入総額が約405億円、前年に比べて約22億円、約6%の増加、歳出総額が383億円、前年に比べて約25億円、6.9%の増加となっています。
コロナ禍前であり、比較的大きな公共工事などがなかった、11年前の平成24年度決算と比べますと、歳入約251億円、歳出約243億円であり、人口もそんなに大きく変わっていないので、150億円以上も、市の大型公共事業費と、国や府からのコロナ対策や物価高対策として交付金や補助金などが入っていると言えます。この決算も、新型コロナウィルスの変異株であるオミクロン株の大流行に対する対策や、物価高対策などがあったため、比較が難しい決算となっています。実質収支が約18億円の黒字となっていますが、これはコロナ禍によって歳出執行額が減少したことによるものです。また、単年度収支が2億2000万円の赤字になっているのは、主には新庁舎建設の影響によるものです。
 
市税について、個人市民税が700万円の減少、法人市民税が約8億円の増加となり、全体で約9億円、7.2%の増加の134億円となっています。特定企業の好業績によって大幅な増収となっています。しかし個人市民税の税収が昨年度と比べ、ほぼ横ばいであることから、市民の生活は、コロナやエネルギー価格の高騰などによる物価高の影響を受けたが、昨年度と同様に行政の対策によって、何とか持ちこたえている状況だったと判断できます。

2年後には2025年問題、7年後には2030年問題といわれる、急激な労働人口の減少と高齢者の増加という問題が確実に起こってきます。これらの問題を考え、未来の世代に問題を押し付け、過度な負担をかけることにならないようにしなくてはいけません。それが今の世代の責任だと私は考えています。

10年前の平成25年度決算を審議した委員会で当時の小田市長は、庁舎建設基金積立事業について、庁舎建設に50~60億円程度を見ている中、その半分くらいを庁舎建設基金に積み立て備えて行きたいと答弁されていました。つまり30億円の積み立てです。しかし、現在行っている新庁舎建設費は、コンビニや貸し館・貸し部屋事業などの余計なものを追加することによって、10年前に想定していた額の2倍である100億円にまで膨れ上がりました。その100億円の支払いについて、7割程度の起債しか組めないことから、新庁舎建設費100億円の頭金30億円を庁舎建設基金に積み立てるようにしました。同じ30億円の積み立てでも10年前と大きく考えが違っています。10年前は、新庁舎建設に対する後世への負担を30億円で考えていましたが、中小路市長になってから、70億円へと負担を増やす選択に変わりました。そして、この決算審査特別委員会で分かったのが、国による起債の制度変更によって、庁舎建設に対して9割の起債を組むことができるようになり、その制度を利用する事によって、この新庁舎建設では、最大で30年償還の90億円の起債を組むとの事です。10年前の構想と比べて3倍もの借金を後世に増やす事業になっています。

今後金利がどうなっていくのか分かりませんが、現在の一般的な基準である金利2.1%に固定をして元金均等方式、30年償還の90億円の起債をすると、返済総額は、119億2950万円になり、利息分だけで29億2950万円になります。10年前の考えでしたら、基金積立分と利息分だけで新庁舎建設ができます。毎年支払う借金返しだけでも、初年度約5億円から最終年度約3億円もの現金による支払いを30年間しなくてはいけません。3億円という金額は、小学校給食の無料化が行えます。さらに年1億2000万円の新庁舎の維持管理費も加えて考えると、小中学校給食の無料化が行える金額になります。また、市債総額(市の借金)は、平成24年度は236億円でしたが、11年後の令和4年度では361億円となっており、右肩上がりに増え続けています。11年で125億円以上も借金が増え続けています。そして、令和7年度には市債総額が400億円を超える報告がされています。

今と、これからの時代は、ハコモノよりも子育て支援に最重点を置くべきです。今の超少子高齢化の時代において、大幅な税収増などが見込めない中、これまでと同じく繰り返しますが、不必要な規模の市庁舎建て替えは、違約金を払ってでも中止し、縮小への見直しをするべきです。


以下、今回の決算において、意見や次年度に向けての要望などを述べさせていただきます。
 
先ほど取り上げた庁舎建設基金について、令和3年度末で残高が31億円となっており、令和4年度では取り崩しによって、26億円となっています。令和3年度末を基準に考えると、約100億円の新庁舎建設に対して、約90億円の起債をする場合、庁舎建設基金の残高が約20億円になります。この庁舎建設基金は、庁舎の建設や庁舎の設備に関する整備費や修繕費、庁舎建設費に関わる借金の返済にしか使えません。新庁舎の設備に関するものは、設置したばかりなので多額の修繕などの費用を要するものは無いと考えられます。また、償還期間の30年の間、現在の低金利状態がいつまで続くのか分からない事からも、基金の20億円を使い、起債の総額を70億円に下げたり、または償還の前倒しを行い、支払う期間や金利総額を減らすべきだと考えます。後世への負担を減らす事もそうですが、長岡京市には、これから多額の費用を要する阪急長岡天神駅前整備および高架化事業が存在しています。

国の新型コロナウィルス感染症・物価高対策事業として、子育て世帯への臨時特別給付金(児童1人あたり10万円)、住民税非課税世帯への臨時特別給付金(1世帯あたり10万円、令和3年度から令和4年度にまたがって給付)、子育て世帯生活支援特別給付金(児童1人あたり5万円)、価格高騰緊急支援給付金(低所得世帯対象1世帯あたり5万円)などを行いました。一方、国の新型コロナ対策・物価高対策臨時交付金を使い行った市の施策である、所得制限を設け、1世帯あたり3千円、世帯員1人あたり2千円を給付した家計支援給付金給付事業、および一部所得制限を設けた1人5千円、18才以下に1万円を給付した、くらし支援給付金給付事業などを行いました。家計支援給付金給付事業については、約2億4千万円の給付に対して、その1割を超える2600万円もの費用がかかっています。また、くらし支援給付金給付事業については、約3億4500万円の給付に対して1900万円の費用がかかっています。これらの事業について、新型コロナ対策であるならば、所得制限を設けるのはおかしいし、物価高対策としても、給付総額の1割を超える経費を使う事が、効果的・効率的であったのか検証を行う必要があると考えます。他市町村では、上下水道料金の減免や学校給食の無料化などを行っていました。新型コロナウィルスは、無くなる事はありませんし、エネルギー価格高騰による物価高について、ロシアのウクライナへの侵攻が長引く様相であることからも、今後のこれらに対する市の施策について、アンケート調査などを行ったりして、検証を行う必要があると考えます。また、今年の5月にコロナが5類へと移行しましたが、令和5年度とのコロナによる影響の比較検証を行い、今後のパンデミック発生時に対する効果的な対策や対応の準備を行う必要があると考えます。

防災情報伝達について、美竹台上の砂防ダム付近の土砂崩れについて、府が管理しているので、市は見に行っておらず、府からの報告で安全性の確認をしているとの事でした。似た例を挙げると、小泉川や小畑川の管理は府なので、台風や大雨、線状降水帯などが発生しても、同じ対応を取るのかという問題があります。実際の問題に当てはめると、台風や線状降水帯などによる災害は、広範囲に広がるもので、府の職員数を考えても、府が災害現場の詳細や全体を把握するには、時間がかかります。市内の災害時の危険個所については、市が一番知っているわけですから、その安全確認を府に任せるのではなく、市も行うべきだと判断します

現在、国内における新型コロナウィルス感染状況は、第9波と呼ばれる波を迎えています。令和4年9月26日より、陽性者の全数把握が無くなり、定点医療機関による報告数となっています。長岡京市を管轄している乙訓保健所のHPでは、定点医療機関あたりの報告数が、2023年9月4日~10日までの第36週で16.43人となっており、「新型コロナウィルス感染症」が流行中。警戒が必要な状況です。となっています。しかし、これでは、新型コロナウィルスが長岡京市内で、昨年の8月のような感染者が激増していた頃と同じなのか、それよりも多いのか少ないのか、比べる指標などが示されていないため、どのくらい流行っているのか非常に分かりにくいと考えます。基礎疾患や高齢者の人達にとっては、命に関わる問題です。定点報告数がどの数字を超えたら流行していると判断できるのか、また外出を控えたり、マスクなどをして感染予防の対応をした方がいいと判断するのには、報告数がどの位になってからなのか、など参考となる指標も含めて示すように、府の保健所に対して、市から要望していただきたいと思います。また、新型コロナは、職場での感染や学校での感染から広がっていく事が分かっています。長岡京市としても、感染状況の参考になる情報として、保育所や小中学校の感染状況、感染者の増加による学級閉鎖や学校閉鎖に関する情報など、市のHP上などで市民に伝えていってはどうかと思います。

子育て支援対策について、どうしても動きが遅くなる国の対応を待つのではなく、学校給食の無料化や、おむつ支給、赤ちゃんの駅の設置、子育てサポートの導入など、深刻な少子化対策として、迅速な子育て支援事業に取り組むことを要望します。

現在起こっている小中学校や保育所でのコロナやインフルエンザなどの感染状況からも、全ての教室において、感染対策としての換気機器の設置や自動水栓装置の設置などを早急に行う事を要望します。 昨年の厚労省からの通達のとおり、今起こっている第9波の新型コロナウィルス感染拡大の現況からも、2市1町における小児救急医療体制の早急な整備を強く要望します。
 
Withコロナの時代、障がいや基礎疾患を持つ子供達について、新型コロナ感染の予防策として、本人やその親の希望がある場合、放課後デイサービスの利用日数を変更できるように、迅速な対応を求めます。

令和4年度から起こっているエネルギー価格の高騰によって、農作業機器の経費や肥料代などが高騰しています。稲作農家、兼業農家、タケノコ農家などに対して、次のシーズンの農作物や食品の価格高騰を抑える意味合いからも、早急に補助の対策を取るよう要望します。

最後に、委員会などで発言した内容などについて、要望に対する対応や改善などを求め、討論といたします

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