第66号議案 令和3年度一般会計歳入歳出決算 賛成討論

一般質問

第66号議案 令和3年度長岡京市一般会計歳入歳出決算 賛成討論

ただいま議題となっています、第66号議案、令和3年度長岡京市一般会計歳入歳出決算の認定について、賛成の立場で討論をいたします。

この決算について、予算の執行に違反や問題があったかという視点において、判断いたしました。

令和3年度の決算は、収入済額で歳入総額が約382億円、前年に比べて約26億円、6.6%の減少、歳出総額が358億円、前年に比べて約32億円、8.2%の減少となっています。
コロナ禍前であり、比較的大きな公共工事などがなかった、10年前の平成24年度決算状況が歳入約251億円、歳出約243億円でした。平成24年度と人口もそんなに大きく変わっていないことを考えますと、130億円近く、市の大型公共事業費と、国や府からのコロナ対策や経済対策として交付金や補助金などが入っていると言えます。この決算も、前年度と同様に新型コロナウィルス対策の影響を考慮する必要があるため、比較が難しい決算となっています。実質収支が約20億円の大きな黒字となっていますが、これは緊急事態宣言など

市税について、個人市民税が1344万円の減少、法人市民税が2億4748万円の減少となり、全体で約2億6千万円、2.1%の減少の125億円となっています。法人に対する税制改正の影響もありますが、コロナ禍による経済活動の停滞によるものかと思います。国が子育て世帯への臨時特別給付金(児童1人あたり10万円)、住民税非課税世帯への臨時特別給付金(1世帯あたり10万円)、子育て世帯生活支援特別給付金(児童1人あたり5万円)などを行っている状況でありながら、税収が減少していることから、市民の経済状況は、徐々に深刻な状況になりつつあると判断されます。これに加えて、数年後には2025年問題、2030年問題といわれる、急激な労働人口の減少と高齢者の増加という問題が確実に起こってきます。この問題と、未来の世代に負担をかけることになる不必要な規模の市庁舎建て替えや阪急長岡天神駅前整備および高架化事業によって、歳入は減り続け、歳出は増え続けますので、コロナによる影響を排除して考えたとしても、公債費比率や将来負担比率は加速的に跳ね上がっていくと予想されます。公債費比率や将来負担比率は、その街の高齢化率であると言われているように、正比例する特徴があります。京都と大阪の間という地理的に有利な条件があるとしても、子育て支援対策などをしっかり行い、コロナによって下がり続けている出生率を上げ、高齢化率を抑え、街の規模に準じた公共事業投資や維持管理費の抑制と縮小を行わなくてはいけません。実際、市債(市の借金)は、平成24年度は236億円でしたが、10年後の令和3年度では342億円となっており、右肩上がりに増え続けています。10年で100億円以上も借金が増え続けているのです。この上にコロナ対策の歳出を考えると尚更です。不必要な規模の市庁舎建て替えは違約金を払ってでも中止し、縮小への見直しをするべきです。また、仮に今から子育て支援対策を最重要課題として最優先に取り組んだとしても、結果が出だすのは20年後になることを心すべきです。

現在、新型コロナウィルス感染状況は第7波と呼ばれる波を迎えていますが、世界の累計感染者数は6億人を超え、国内では、2100万人を超えました。イギリスをはじめ、ロシアやインド、ブラジル、アフリカなど、海外では、これまでの変異株とは比べ物にならない位、強い感染力を持つオミクロン株によって、感染者数の把握が難しくなった事もあり、感染者数の集計をしなくなってきています。よって世界の累計感染者数も、もはや正確な数字ではなくなっています。また日本においても、国の方針変更によって、新型コロナウィルス感染者の発生届の対象を重症化リスクの高い高齢者や基礎疾患がある人等に限定することとなったため、市町村ごとの感染者数の把握が9月26日以降できなくなります。
長岡京市では、今年に入ってから、8月までのわずか8カ月で1万人以上の陽性者数が確認をされています。(8月3711人:過去最大)7月2日、厚生労働省は、新型コロナウィルスに感染した子供の容体急変に備える体制の整備を文書で自治体に促し(うながし)ました。これは、私が6月議会一般質問で必要だとして取り上げた小児救急医療体制の整備の事です。その背景には、オミクロン株の感染拡大により子供の感染が急増し、基礎疾患がなくとも、心筋炎や急性脳症による死亡例が多数報告されてきているという事実があります。そして、これから感染の主流に置き換わっていくであろうと言われているBA.2.75、ケンタウロス株は、現在インドで猛威を振るっているのですが、子供のケンタウロス株感染による急性脳症の症例が増えてきているという報告があります。また現在ロシアのウクライナ侵攻やコロナの感染拡大、円安、天然ガスや石油の価格高騰などによって、急激な物価高に見舞われており、国内でも今年に入って累計2万品目の値上げ、消費者物価指数が3%を超える勢いとなっています。
 
これらの事から、子育て支援対策、コロナ対策、経済支援対策などの視点において、以下、要望を求めます。

まず、コロナ禍によってさらなる出生率の低下が進んでいる中、長岡京市人口ビジョンの見直しが必要です。将来の合計特殊出生率を現実に即した数値に修正し、そこから、今後の公共投資計画や公共施設管理計画についてWithコロナの視点にたって、コロナ対策に必要な費用の追加などを行い、見直す必要があると考えます。
 
国や府からの補助金による子育て支援対策だけでは、他市町村との差別化ができず、少子化に歯止めをかける対策としては不十分です。大阪市をはじめとする多くの市町村で行われている学校給食の無料化や、長岡京市と地理的条件の似ている関東のベッドタウンである厚木市のように、おむつ支給や、赤ちゃんの駅の設置、子育てサポートの導入など、一歩踏み込んだ子育て支援事業に取り組むことを要望します。
 
オミクロン株の感染拡大の経験から、高齢者や基礎疾患を持っている人達に対するワクチン接種などの対策はもちろん、子供から大人への感染拡大が見られた事から、子供達への感染対策が重要です。コロナに限らず、今後起こるであろう感染症対策の観点からも、現在建て替え中の4小や、これから建て替え予定の3小では、設計当初から全教室への換気機器の設置や自動水栓装置など整備を行うこと、また全小中学校の全ての教室においても、換気機器の設置や自動水栓装置の設置などを早急に行う事を要望します。
 
厚労省からの通達のとおり、今後の新型コロナウィルス感染拡大にそなえて、2市1町における小児救急医療体制の早急な整備を強く要望します。
Withコロナの時代、障がいや基礎疾患を持つ子供達について、新型コロナ感染の予防策として、本人やその親の希望がある場合、放課後デイサービスの利用日数を変更できるように、迅速な対応を求めます。
 
経済支援対策について、コロナ対策なのか、コロナや世界情勢による物価高対策なのか、子育て支援対策なのか、何に対する対策なのかはっきりさせる必要があると考えます。この年度でも国による給付金事業や、市の事業として、ながすく応援券事業(18歳以下1人あたり5000円)、下水道料金引き上げの延期を行いましたが、その効果検証を行う必要があると判断します。またその検証とともに、経済支援対策の対象者をどう扱っていくのか考える必要があります。所得制限を設けるのか、年齢制限を設けるのか、対象事業所を定めるのかなど決めていく必要があると思うのです。例えば、コロナ対策であるならば全市民が対象であるべきだし、子育て支援に所得制限を設ける必要があるのかなどの議論もしていくべきです。また経費を抑える効果のある上下水道料金の減免なども経済支援対策として考えられます。これらの事を通じて、今後のコロナ対策や急激な物価高対策に対する、経済支援対策をより効果的に行うよう求めます。

庁舎建て替えについて、新庁舎の方が現在よりも感染対策として安全だとの市長の見解でした。新庁舎内に予定しているコンビニがない状態を仮定して、庁舎の広さが1.5倍になるとしても、産業文化会館機能(貸館・貸し部屋事業)、保健センター機能を有するため、開庁時間が年間で2倍になり、人の出入りも2倍になります(コンビニを入れると4倍以上)。この時点で、数学的にも新庁舎の方が、感染する確率が高くなります。また以前、産文や保健センターの利用者と市役所利用者の動線を分けた対応で感染対策をすると答弁されていましたが、今回のオミクロン株の強力な感染力と空気感染の実態から考えて、同じ施設へ向かい、同じ施設内の空間を利用する人達の動線を変える事が感染予防対策とならないことは明らかになったかと思います。妊婦さんや小さな子供にとって、厚労省が示しているように新型コロナ感染は極めて危険です。新庁舎内の保健センターと、今の保健センターを比べると、不特定多数の出入りのある新庁舎よりも、圧倒的に今の保健センターの方が感染確率は低いし安全です。移設の理由が交通の利便性などであったとしても、新庁舎内に置くのではなく、移転した済生会病院の近くに移動した乙訓休日診療所の近くに設置するなどすべきです。

現在、「書かない」「待たない」「行かなくてよい」市役所をめざして、市民課の1日200人程度の窓口対応を減らし、コンビニ交付の利用を進めていく方向です。そのために100円の手数料の減額を行おうとしています。現在のコンビニ交付利用者が10%程度ですから、行かなくてよい市役所にするため、1日に20人以上の来庁者を減らそうと条例改正をしようとしているわけです。ですが、新庁舎の中に、産文の貸館・貸し部屋事業や保健センター機能を含ませ(コンビニ機能含まないとしても)、1日に500人近い新庁舎の利用者を増やしてしまっては、新型コロナ感染予防の視点においても、何の意味もありません。貸館・貸し部屋事業は、コロナ禍になってから、3割も利用が減っており、さらに利用率は最も使われている産業文化会館で38%しかありません。6割以上が使われておりません。仮に産文の代わりに新たな貸館・貸し部屋事業の施設が必要であったとしても、開田保育所跡地や新田保育所跡地にそれを作ればよいわけで、新庁舎内に入れる必要はありません。基礎疾患を持っている人や高齢者の方々にとって、新型コロナウィルス感染症は、命の危険に関わる問題です。市役所は、そういう方々も利用される場所であると同時に、これからは高齢の職員も働く場所にもなるわけですし、利用者や職員の感染予防の観点からも、新庁舎の中に貸館・貸し部屋事業を行う施設を設けるべきではありません。繰り返しになりますが、新庁舎建て替えについては、違約金を払ってでも中止し、コンビニはもちろん、産文機能や保健センター機能を切り離し、見直しを行って縮小化しなくてはいけないと判断します。

最後に、委員会などで発言した内容などについて、要望に対する対応や改善などを求め、討論といたします。

 

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